月と海の間で

ゆらゆらと 波にゆられて 思うこと

残念ながら

波乗りから戻ってくると ベッドルームで 昨日の小鳥が大きな声で 鳴いていた。

結構元気になったみたいで 布をかぶせた バスケットから 飛び出して 

壁に掛けてある ウェットスーツに止まってた。

水とチアシードをふやかしたのを 少しあげて バスケットに入れ 縁側に その

バスケットをぶら下げたら どこからともなく たくさんの メジロが 集まってき

た。みんな けたたましい勢いで 鳴いている。

と 小鳥は バスケットの縁に止まり しばらくすると 飛び立った。が まだ 

練習中らしく 近くの木と木の間に 着地。

それを 見ていたチビが すかさず 捕まえようと 木の根もとで待ち構える。

家族とともに飛び立つまではと思い チビを家の中に入れて ドアを閉める。

そのまま 庭の中央にある洗濯場に行き 洗濯機に洗濯物をセットして 戻ってくる

と さっきまでの 鳥たちの鳴き声が 聞こえない。

どうしたものか?と あたりを見ると ココが小鳥を咥えている。

小鳥は すでにぐったりして 死んでいるのがわかった。

怒るつもりではなかったが 家の下に隠れたココの目を見ながら 「この小鳥を 

捕まえるべきじゃなかったのよ。そのために ご飯をあげているでしょ?」と言った。

ココは 大きな目を さらに見開いて私を見ていた。が 小鳥を取られるのが嫌で

始終くわえたままだった。 

猫にとって ハンティングは本能だ。猫の場合 食べることが 目的ではないことも

ある。が うちに来た猫たちには どこか成長して欲しいと思うのだ。

例えば ポオヒナやジジが いつしかバイリンガルになったように。ご飯の支度を 急

かすことなく ちゃんと待つことができるようになったように。

こんなことが 起こる前 ココが 縁側の 階段の下にいたのは わかっていたけど 

出てこなかったので 小鳥のことは 狙わないだろうと 思ったのが ミステイクだっ

た。親鳥たちには 身を潜めて チャンスを狙うココのことが すでに見えていたから

こそ けたたましい勢いで 鳴いていたのだった。私には 野生性が 不足してい

た。注意力が足りなかったり 散漫なのは 野生性を失っているからだ。

自然は 厳しい。

 

一夜を無事に過ごし 元気を取り戻した小鳥は 仲間とともに 飛び去る前に

逝ってしまった。

小さい命は 繊細だ。一瞬 目を離した隙に 消えてしまった。

木の間に飛んだあと また家に中に戻すか 鳥かごを買って来て 縁側で

しばらく世話をすればよかったと 後になって思った。

世の中の母親たちは皆 めまぐるしい変化の中で 常に 次に起こる事を想定し

プランする。だから お母さんたちのバッグは 大きいんだと 今わかった。

母とは 常に 備える生き物なのだ。それは 他の命を守るために。

 

私は 鳥に特別な感情を抱いている。

前から そうだったのではない。多分 ボディワークを始めた頃からだと思う。

その頃から 私の 周りを フクロウが よく飛ぶようになった。

そして 時には それらが メッセージを 運んでくることがあった。

ある時は 空っぽの巣が 玄関のドアの前に 置いてあった。

その意味を 考えずにいたら 三日後 もっと大きい巣が また 玄関のドアの前に

置かれていた。

それで 無視することができず その答えを探すために レイサン アルバトロスが

生息する 近くのカエナポイントというところへ出かけた。

ところが そに日に限って アルバトロスは 出かけていて その時間には 一羽だけ

が 空を旋回しているだけだった。意味をつかめずに 知人に連絡。すると 彼の守護

神が アルバトロスなのだという。大学時代には レイサン島(ハワイ諸島の一つで 

鳥とウサギだけが 生息している)に レイサン島に生息する 鳥の生態リサーチで 

滞在していたらしく 鳥には詳しい。島には 最小限のものしか持ち込めず 6ヶ月間

シャワーを浴びなかったと言っていた。が そうすると皮膚の表面に 自然にガードが

できて 病気をしなくなると言っていた。

連絡した理由を話すと 空の巣は 可能性を示していること カエナという言葉には 

こちらの世界と 死後の世界の間という意味もあることなどを 話してくれた。

一番 心を惹きつけられた 鳥との出来事は、ある日 家から 通りに出ようと

左右の確認をしていた時だった。

マイナーバードと呼ばれる ぎゃーぎゃーなく鳥がいるのだが その鳥が 通りに

横たわる 仲間の鳥を 嘴を使って 道端まで 押しているのだ。

それは 通りに放置しておくことで 車に轢き潰されるのを 避けるためだと 私は

瞬時に思った。

その時、舗装した道のギリギリを 数台の車が行き去る。生きている鳥のほうまで ひ

かれそうなのを見て 私は 家まで バックして戻り、ビニール袋を持って 通りま

で 歩いていく。そして 横たわった鳥を 袋の中に入れると 生きている方が 頭の

上を ぐるぐる 飛ぶ中 家の庭まで戻る。

そうして 縁側のそばの スパイダーリリーの木の下に穴を掘って 袋から取り出し

た 遺体をそこに埋めた。仲間の鳥は 少しの間 様子を伺っていたが やがて飛び

去って行った。わたしは その時 鳥には 知性があることを知った。

相棒が 事故に遭い死んでいるにもかかわらず 尊厳からその遺体を 無事なところに

移動させようとしていた。尊厳でなければ どうして遺体を嘴で 通りの端まで押すよ

うな行為をするだろう?

スマホを使いこなす私たちは 実は それほどスマートではないのだと思う。

 

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